ホームスクール/ホーム・エデュケーションについて

最近、学校外での学習方法として「ホームスクール」とか「ホームエデュケーション」と呼ばれる学習方法が日本でも注目されてきています。様々な理由で学校にいけない子が消極的に選択せざるを得ない、という面もありますが、より積極的にそうした学習方法を選択する人たちも増えてきているようです。


Wikipediaでは、ホームスクールを以下のように定義しています。

 

「ホームスクーリング(英語: homeschooling)は、学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うことをいう。オルタナティブ教育の形式のひとつであり、ホームスクール(英語: homeschool)、ホームエデュケーション(英語: home education)などともいう。ホームスクーリングが盛んな米国などでは、家庭を拠点としながら大部分の時間を戸外の教育機関で過ごすケースがあるため、在宅教育(ホームスクーリング)とともに、自宅ベース教育(home-based education ホーム・ベイスド・エデュケーション)と言う表現も使われる。」

 

特にアメリカでは、子どもを教育する基本的権利は家庭にある、という考えが伝統的に強く、youtubeには「School vs Homeschool: Which Student Does Better?」(訳:学校vsホームスクール どっちの生徒が優秀?)なんて動画まであったりしてます。

 

この動画によれば、アメリカ国内でホームスクールを選択する生徒の数は年々増えてきているそう。しかも、この傾向はアメリカだけにとどまらず世界の様々な国で同様の傾向にある、と語られています。*1

 

言い換えれば「家庭で学ぶ」という学習スタイルは、全世界的な潮流として生じている、ということになりますね。

 

日本においては「不登校」との兼ね合いで語られることが多い「ホームスクール」ですが、「学校」という場所で学ぶこと(あるいは今の学校教育)への疑問、そして学習スタイルの多様化の要請が、世界の色々な場所で表明されていると考える方がより自然なのかもしれません。

 

世の中にはいろいろな特性を持った子どもがいます。


みんなでワイワイ何かをやるのが好きな子もいるでしょう。競争する方が自分のモチベーションがあがるという子もいるでしょう。そんな子は、学校や集団で勉強する場所に行けばいい。

 

でも、静かで落ち着いた雰囲気で何かを行うのが好きな子もいます。自分のペースでじっくりと何かを学ぶのが合っている子もいます。そんな子にとっては、家庭でリラックスした雰囲気で勉強できる方が学習のパフォーマンスもあがるだろうし、その子の自信にもつながります。そうして結果的に身につくものが豊かになれば、その子が将来的に社会に還元できるものも大きくなるはずです。

 

今はまだ学校の代替物としての「ホーム・スクール」ですが、逆に学校で勉強することが選択肢の一つになるような、そんな時代が早くくるといいなと思います。

 

 

 

*1:動画の中の以下のナレーション部分を根拠にしています。

 

In the USA alone, there were 2.3 million home-educated students in 2015, which was up from 2 million in 2010.(訳:米国に限っても、2015年に230万人のホームエデュケーションで学んだ学生がおり、それは2010年の200万人から増加しました。)

 

NHERI tells us the increase over the last several years has been anywhere from 2 to 8 percent per year.(訳:NHERIによれば、ここ数年間の増加は、年間2~8パーセントに上っています。)

 

This increase isn’t just happening in the U.S., but also in the UK, Australia, Canada, France, Japan, South Korea, Thailand, Russia, and Kenya.(訳:この増加は合衆国内だけで起こっているのではない。イギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、日本、韓国、タイ、ロシア、そしてケニヤでも同様だ。)