9月の親の会開催報告

先日土曜日(9月12日)「不登校の子を持つ保護者向け月一お茶会(親の会)」を開催いたしました。


今回は6名の保護者の方が参加くださり、そのうち5名は今回、初めて参加される方でした。

 

ここ数年、日本全体で不登校の児童生徒数はずっと増加傾向が続いています。それはここ大村市でも同じです。それは、言い換えれば、子どもさんの不登校をどうしたらいいだろうかと悩む保護者、家庭の数も増え続けているということであり、私たちのこの親の会を継続し続けなければいけない理由でもあります。


今回、特に印象に残ったのは、ある保護者の方が「何度もこの会に来ようとしていたけれど、最後の「参加ボタン」を押す勇気がなかった」とお話になられたことです。会を開催する側としては、極力、来やすい形を考えてやってきたつもりでしたが、すごく悩んでいらっしゃる保護者の方にとっては、どこまで行っても、本当に勇気がいることなんだなと再確認できました。参加しやすくするためのより多くの工夫と、より多様な関わり方ができるように、まだまだ自分たちにやるべきことは多いと感じました。


当NPOの所在地である大村市では、不登校児童生徒のための「居場所」=conne(コンネ)という取り組みが、この9月よりスタートしています。市教委が運営主体となっている取り組みとしては全国的に見ても、かなり画期的な取り組みで、conneに来た児童生徒は、自分が好きな過ごし方をしてOKで、しかも「出席扱い」となります。髪を染めても、ピアスを開けても、OKです。法律で禁止されていること以外は原則的に認める、そんな場所です。その子自身が最大限尊重される、そんな取り組みです。


もしかしたら、「勉強もせんで出席扱いはおかしい」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、不登校の児童生徒に関して、最大の懸念は彼らが社会との接点自体をなくしてしまうことにあります。社会との接点さえ失わなければ、この先のどこかで社会の中で自立していく機会に触れることもあります。そして、そこからもう一度学び直すこともできます。しかし、社会との接点を失っていては、どれだけ多くのことを学習していても、それが社会のためにも、本人の自立のためには役に立つことはありません。

 

だからこそ、不登校の取り組みは、まずそこから始めなければなりません。何よりもまず、子どもたちが家から外に出て、誰かと繋がっていられる機会を増やすことから始めなくてはいけません。


多くの批判が想定されるにもかかわらずこうした形で、子どもたちの社会への新しいルートを作ろうと取り組んでいる大村市教育委員会に、私たちは拍手を送りたいと思います。

 

同時に、このconne実現に向けて、当NPO役員である梶原の尽力が陰ながらあったということ(もちろんメインは教育委員会でありますし、その他多くの方との協働の上で成立したものですが)を一言だけ記しておきます。(文責:内海)