スクートラジオvol.22 思春期の脳

今回は、内海が最近読んだ明和政子さんの『ヒトの発達の謎を解く』(ちくま新書)をもとに、思春期の子どもにとって良好な関係の大人が周りにいることの意味や役割についてお話をしています。

 

人が恐怖や不安を感じた時に働く「偏桃体」という脳の部位があります。一方で、その不安や恐怖を抑制するのは「前頭前野」という脳の部位です。

 

小さな子供が不安や恐怖を感じた時には、まだ「前頭前野」が未発達なために、上手に偏桃体の活動を抑制できません。では、子どもたちはどうやってその不安や恐怖に対処するのかといえば、それは親に身体をぴったりと寄せることで対処します。

 

つまり、子どもが怖いなとか、不安を感じたときに、親や周囲の大人の身体を借りて、その感情を和らげて、気持ちを落ち着け調整しているわけです。いうなれば、大人の身体が未発達な「前頭前野」の代わりをしているわけです。

 

人間はそういう風にできています。

 

ところで、思春期に入ると、多くの子どもたちは「性ホルモン」の分泌が増えますが、性ホルモンは「偏桃体」を刺激して、活動を活発化させる働きをします。そうして数年で偏桃体は完成します。しかし、それを制御する「前頭前野」の完成は、それよりもずいぶんと遅く、25歳ごろ。

 

不安や恐怖をとても感じやすいのに、それを制御するのは難しい。そんな脳の発達バランスになっている。思春期の子どもにとっても、「前頭前野」の役割をやってくれる大人がすごく必要なのです。この時に、適切にその役割をしてくれる大人がいないと偏桃体の働きを制御するのが難しくなり、精神疾患を発症しやすくなると言われています。

 

 

明和政子『ヒトの発達の謎を解く』 (ちくま新書) 2019

 

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